研究・開発

特許公開:2013-074181

高濃度n層とライフタイム制御領域を同時に形成可能な半導体装置とその製造方法

バッファ層を製造するための水素イオン照射を利用して、ライフタイム制御領域を形成する技術開発を行いました。
従来、バッファ層等の高濃度n層を製造する工程と、ライフタイム制御領域を形成する工程は別工程で行われており、バッファ層を製造するための水素イオンの照射を利用して結晶欠陥が残存したとしても、その密度が低いため、ライフタイムキラーとして十分に機能しませんでした。
上記の問題に対して、高濃度n層を製造する工程で欠陥密度を適切に制御する事で、ライフタイム制御ができる技術を開発しました。

研究・開発の結果

自動車メーカーと共同で開発を行い、高濃度n層を形成しながらライフタイム制御を行う技術を実現させました。

特許公開:2011-049300

ライフタイム制御機能を有しながら低リーク電流を実現した半導体装置とその製造方法

キャリアのライフタイム制御を実現しながら、リーク電流を低減することができる半導体装置とその製造方法の開発を行いました。
半導体内に形成されている結晶欠陥の量が多くなるとリーク電流が増加しますが、リーク電流を低減するために結晶欠陥の量を低減させるとキャリアの再結合が促進されなくなります。
このため、キャリアのライフタイム制御機能を実現することが難しいという問題がありました。
上記の問題に対して、リーク電流の原因となる深い欠陥準位を終端処理により、低い欠陥準位にシフトさせる技術を開発しました。

研究・開発の結果

自動車メーカーと共同で開発を行い、低リーク電流とライフタイム制御を両立する技術を実現させました。

特許公開:2011-237234

フェイズドアレイ超音波検査装置、フェイズドアレイ超音波検査装置を用いた検査方法の開発

高温で運転されるコークドラムの周溶接線を、稼働中に検査するためにアレイ探触子の開発を行いました。
コークドラムは石油精製プラントにおいて、ナフサやケロシンといった軽質油を取り出す装置で、最高運転温度は500℃近くにまで達しますが、残留分であるコークス取り出しの過程で急冷され、装置外表面温度は100℃程度にまで低下します。
繰り返し受ける熱負荷により周溶接線の損傷が多い装置で、当社では定期的に行われる整備期間にこの装置の検査を行ってきましたが、稼働中に検査を実施したいという顧客様のご要望が多く聞かれたため、この開発を行ったものです。

研究・開発の結果

探触子メーカーと共同で、耐熱性アレイ探触子、及び耐熱性ウェッジを開発し、装置表面温度200℃での使用が可能となっています。

特許:5325394

軸部材の超音波探傷方法、超音波探傷装置および超音波探傷システム

減速機等の軸類を、端面から検査する手法の開発を行いました。
産業設備に多く使用される減速機は、大きく分けると軸とギア、及びそれを収納するケースで構成されていますが、その中でも軸の折損は重大な災害に直結します。
そのため、定期的にケースを分解して内部をチェックしたり、軸の端面から超音波探傷を行ったりしてきましたが、前者には多くの時間と費用が必要で、後者ではギアや段つきなどによる妨害エコーで評価困難な場合が多いものでありました。
当社では、これらの問題を最小限に抑えたいという顧客様のご要望に応えるために、この開発を行ったものです。

研究・開発の結果

フェイズドアレイ法を適用したことで、軸端のカバーを開放するだけで高品質の検査が可能となり、顧客様負担を軽減しています。